話題:今日見た夢
記事書いてたら終わり際に間違って全て消してしまい、地味に凹む。


イベント前日。二階堂に新しい制服が支給される。

肘から先が見えるデザイン。義手が見えるようになっている。戦いやすいようにする実用的な制服。首の補助装置も頑丈に保護されている。


「ニカさん、制服変わったんだ。義手カッコいい」

同僚の鹿本が二階堂の制服を見てる。組織の隊員は戦いやすくするためなら制服のカスタム可能。

「私、戦うって決めたから。義足も戦闘兼用にする予定だよ」
「義足も!?」鹿本は驚いてる。
「私の軸足左足だから右足をね。今試作中だって聞いた」


イベント当日。ゼノクには参加した隊員が続々来てる。晴斗と囃ははしゃいでる。朝倉も来ていた。
「じゃあ俺、七美ちゃんとこ行ってくるわ」
囃は七美がいる共用スペースの一角へ。そこにはピンクの治療スーツに魔女の仮装をした「七美ちゃん」の姿が。

「七美ちゃ〜ん、魔女可愛いよ〜」
囃は七美ちゃんファンなので嬉しそう。端から見るとシュールだが、七美はゼノクと治療スーツの認知を上げたくてネット配信してるわけで。


「七美ちゃん」の配信はじわじわ人気が出ているらしい。
最初は一部のファンだけ盛り上がるカルト的な存在だったのだが、ゼノクと治療スーツに関する配信が好評らしく、最近では治療スーツユーザーの悩める10代のお悩み相談までやってたりと幅を広げてる。今やゼノク公認のインフルエンサー。

七美は配信では毎回スーツの色を変えている。ピンクだけでもバリエーションが多いから受けてるとかで。ユーザーは顔が見えないからか、気楽に見れるらしい。


鼎達はそれなりに楽しんでる様子。イベント参加者は自由に仮装していい。隊員にもはじけた人がちらほらといる。

「ゼノクのイベントってこんな感じなんだー。入居者の人達、治療スーツを活かして仮装してるね。すごいわ」
彩音は感心してる。
「こっちに屋台ブースあるよ〜」
晴斗が遠くから呼んでる。晴斗は買い食いを楽しんでいた。


イベント会場はメイン施設の多目的ホールと共用スペースの一部だ。
ゼノクメイン施設は広いので、屋台・飲食ブースは多目的ホールの半分を使っている。


朝倉はゼノクのイベント自体が初めてだったが、新しい制服姿の二階堂と話が出来て満足気。

「二階堂さん、制服変わったの?戦闘重視になってるね…」
「なんだか長官の制服に似ているよね、これ…。長官も両腕が義手だからな〜」

朝倉は「せっかくだし美味しいもん食べなくちゃ」と言いながら、屋台ブースへと消えた。
朝倉は朝倉なりにイベントを楽しんでる。


七美は仮装してる人々に「イベント楽しんでますかー?」…と聞いていた。

七美は「ゼノクでは年に数回、イベントがありまして〜こうして隊員・職員と入居者で交流しているんです…」とか配信しながら、イベントの解説をちょいちょい入れてる。


鼎と二階堂はいつの間にか打ち解けていた。

「二階堂…制服変わったんだな。戦うためか?」
「もう、決めましたから。義手もある程度、武器を展開出来るようになりましたよ。実戦にはまだまだですが」

鼎は七美を遠目に見てる。


「…七美はすごいな…。いつの間にかゼノク公認になってるのが」

「ゼノク入居時代から配信していたみたいなんですよ。治療スーツの可能性を試したりとか。今はゼノクと治療スーツに関する配信がメインと聞いてますよ。スーツのバリエーション多いから、そこでバズったみたいで。治療スーツの見た目は顔まで覆う全身タイツなのに…」

治療スーツの見た目はあれだがな…。


「…何が当たるかわからないな……」
「…ですよね〜。七美はゼノクのインフルエンサーですよ。彼女は組織の人間じゃないから、機密事項は知らないだけマシですね。…半分、組織の人みたいな存在ですけど」

しかし、和希の妹・柚希は七美の友人ってのも地味にすごいかもな…。2人はゼノク入居時代から一緒にいたからか?
柚希はゼノク隊員・七美はゼノク公認インフルエンサーか。


ゼノク研究施設・義肢専門チームの一室。戦闘兼用義肢専門チームは、二階堂の戦闘兼用義足の試作品を完成させていた。

蔦沼はふらっと訪れる。


「試作品が出来たって?」

義肢装具士の皆川は自信ありげに答える。皆川は二階堂の専属義肢装具士。
「出来ました。二階堂さんの要望を入れるとこうなりますね」
蔦沼は試作品を見てる。

「ふくらはぎ部分に刃物を仕込んだのか。これがガシャーンと展開するわけね。…明日、二階堂に試着させてみよう。微調整はそれからだよ」
「はい」
「皆川…前代未聞の戦闘兼用義足、難題だったかい?」

「…いえ。あの義足ベースだったので、難題というほどでは…」


蔦沼はなんとなく思った。

紀柳院は肉弾戦では蹴り技が得意だと聞いてるし、実際に見ている。二階堂はこの義足を使えば蹴りと見せかけて、切り裂くことが出来る。


ゼノク研究施設にある、戦闘兼用義肢専門チームは通常の義肢の製作もしている。組織や官民の枠なんてない、重要なチームでもある。


本部。宇崎は釵焔に聞いていた。


「釵焔、ゼノクに行かないの?楽しい楽しいハロウィンイベントだよ〜?」
宇崎はふざけ気味にニヤニヤしながら聞いてる。

「怪人が行ったら冗談キツいでしょ…。仮装じゃないし、怖がられるし」
「確かにな〜。釵焔はこっちに来てから1度も怪人態になっていないよね。やっぱり人間になりたいのか」

「出来ればなりたいよ」


ゼノクのイベントは入居者と隊員・職員の交流会も兼ねている。ゼノク入居者の子供達からは蔦沼長官が人気だとどこかで聞いた。なぜに?


二階堂と鼎はなぜか子供に好かれていた。どうやら入居者の子供からしたら、二階堂の戦闘兼用義手はメカメカしくてカッコよく見えるらしい。
鼎の仮面は治療スーツののっぺらマスクの入居者からしたら、羨ましいのかも。鼎は顔の大火傷の跡を隠すために仮面を着けているのだが。


「二階堂、展開した義手がえらい輝いてたな。かっこよかったぞ」
「紀柳院さんだって、仮面子供にべたべた触られていたじゃないですか」
「呼吸穴塞がれて酸欠になりかけた…」
「仮面生活も大変なんですね…」二階堂は気遣っている。

「なりたくてなったわけじゃないが、仮面生活長いからこういう事に慣れてしまっているところはある…」


「それにしても、なんで長官が子供に人気あるのかわかりましたよ。義手がカッコいいのかな」
「戦闘兼用だからあれはカッコよく見えるだろうに。二階堂も何も義手を展開しなくてもいいだろう」
「この技術は希望ですからね。義肢装具士の皆川さんに私はお世話になっていますよ」

…皆川?確か彩音と和希から聞いたが、民間から来た義肢装具士か。長官に抜擢されていたとはな…。


イベントは佳境。司令室に戻った蔦沼はモニター越しに隊員達を見守っている。

「二階堂、新しい制服気に入ってるみたいで良かったよ」
蔦沼は安心した様子。西澤もホッとしてるか?

「あれですね。首の補助装置の保護をどうするかえらい考えた代物だからな〜。難産でしたよ。結局襟を詰襟みたいにして、首の後ろ側を頑丈に保護する方向に行きましたが」
「西澤、あれなら二階堂は戦えるね。…ま、義足が完成したら右足は膝から下は露出しないと戦えないだろうけど…」

「二階堂の制服がだんだん個性的になりますねぇ…」


西澤は話を少し変える。

「うちの組織、制服カスタムしている隊員そこそこいますからねぇ。マイナスにしてるの御堂くらいですよ」
「御堂は昔からラフなスタイルだろ?紀柳院は逆に防御重視で厚着だが、あれは火傷の跡を隠すためだ」



楽しいイベントの後、敵がじわじわと動き始める。これは長官からしたら想定内。



二階堂は七美と鹿本相手になると、ちょっとだけ口調が砕ける。鼎ともあっさり打ち解けてたり。
二階堂の新しい制服は戦闘重視だが、一見すると半袖っぽい。上着は四分丈くらいのダボッとした袖でゆとりがある。
これは戦闘の妨げにならないためのデザイン。

新しい義肢になってから、二階堂はトレーニングルームで連日のように義手の実戦訓練をしている。刃物展開と銃撃は習得済み。
二階堂の義手のスペックは長官の義手とさほど変わらないため、二階堂も雷撃や火炎放射がそのうち使えるか?

戦闘兼用義足も実装されたら地味にヤバそう。
二階堂の新しい義肢は長官と似たような黒光りのスタイリッシュなもの。組織の制服が白いので義肢が際立っている。