リニア中央新幹線の開業を目指すＪＲ東海は６日、山梨リニア実験センター（山梨県都留市）で新型の試験車両「Ｌ０（エルゼロ）系改良型」の報道向け試乗会を開いた。昭和３７年にリニアモーターカーの開発が始まって６０年。超電導リニアの開発に尽力した国鉄の元技師長が同日、産経新聞の取材に応じ、「超電導リニアの骨格を作ったのは国鉄の技術者たちだった。その技術が実用段階まで来たのは感慨深い」と語った。

真っ白な車体に流れるような曲線の青い帯。６日午後、世界最速の鉄道車両に乗り込んだ。白を基調とした明るい車内。新幹線のグリーン車にも匹敵する座面幅４７センチのシートにはＵＳＢコンセントも設置され、営業列車を念頭に置いた設計であることがうかがえた。　ほとんど衝撃を感じることなく発車。時速１６０キロに到達する頃、車内が静まり返った。タイヤが地面に触れるノイズが消え、浮上走行に移った瞬間だった。