翔くんが取材した佐々木雅弘さんの「心の終戦」「思いやりの心」「大きな平和は周りの小さな平和から」という言葉がとても印象的でした.
「67年前,敵であった同士が手をつなぐわけですから,それが今回実現したというのは,非常に感慨深いものがありました」
様々な立場があって様々な思いがある中,佐々木さんが辿り着いたこの日を私も見ることができて良かったです.
次の世代にバトンを渡すため,被爆した方々自身が闘い続けなければいけない現実,私たちはそこから何を感じ,どう次に繋げることができるか.
自分なりに考えて,向き合うことができたかな.
1945/2012
あの戦争を,知る.
原爆投下から67年.
年月が経っただけであって,何も終わってはいないのだと痛感するのがこの日.
今もなおその苦しみと悲しみを抱えて日々を生きている人がいる.
終戦を迎えても,闘いが終わることはないのです.
たった1日,この日にだけ想いを向ける.
“今日だけでいいから”という言葉は,戦争を知らない人のきれい事なのかもしれない.
それでも私たちにできることはそれぐらいしかないのも事実.
私たちはその苦しみも悲しみも共有することができない.
きれい事を並べて語ることしかできない.
だからこそ,今日という日と向き合い,あの日に思いを巡らそうとすのかもしれない.
翔くんが常々言うように時間がない.
「
“戦争もの”というか,“あの時代”っていうのがさ,もうまもなく“ちょんまげ”の話と変わらなくなってきちゃうんじゃない.時代劇になっちゃうっていう……つまり,その時代を知っている人達が亡くなってしまうっていう」
その危機感を肌で感じているからこそ,翔くんは強いこだわりと責任を持って取材し続けるのだと思います.
「戦争と核兵器には自ら志願して取材に出ている.
彼はロンドンオリンピックのキャスターですが,8月6日の式典に出るように調整している.彼が望んでいるので事務所も調整するでしょう」
ZEROセミナーで山崎プロデューサーがこう話していたように,翔くんは直接目で,耳で,肌で感じて伝えようとしてくれている.
「
“遠い過去の話”になってしまうものを,なんとか繋ぎ止めたいってことなのかもしれないね」
この言葉に翔くんの想いが集約されている気がします.
翔くんが伝えることで目を向ける人がいる,耳を傾ける人がいる.
入り口はなんだっていい.
興味を持つことで見えてくるものがあるから.
翔くんが“伝え手”として走り続ける理由がそこにあるのかもしれません.
歴史の1ページにするかしないかは私たちの意識にかかっています.
癒えぬ傷を負い,今も苦しみ続ける人々が,再び悲しむことのないよう,我々の世代ができることを.
受け取ったバトンを次に繋げるために.