*一応検索避けのため無駄に平仮名だったり。
ばさらでぼかろの悪の、シリーズ。のパロディ(もどき)。
上げる予定はなかったけど勿体ないから。←
キャスト↓
王女の立場 もとなり
召使の立場 もとちか
で、入れ代わりのあのシーン。(文中でもとなりがにょただったりもとちかが召使な描写はないです。あくまで歌詞の彼らの立場を当て嵌めた場合、ここの位置、みたいな)
(他キャラが思い付かないため、他は多分書かない)
(微妙にCP風味が否めないので注意)
(唐突に始まり唐突に終わる)
(捏造だらけ)
(解釈とかの類いではない)
OK?↓
「元就、城が囲まれてる」
「使えぬ駒が……」
憎々しげに吐き捨てる元就。けれどその瞳は泣きそうに歪んでいる。
元就より頭の悪い俺でも解ったことだ。
知っているのだろう。もう、どうしようもないことが。
「もうよい! 我が、」
「俺が出る」
声を張り上げた元就を制する。
ぱさり、と眼帯を頭を撫でると同時に置いた。
「何を言う。貴様なぞが我の代わりをできると思っておるのか?」
鋭い視線で睨み付けられ、嘲るように言われた台詞。
多分、他人が聞いたら腹が立つんだろうな。そしてそれはきっと、お前の考えの通りなんだろう。
でも、元就。俺はずっとお前といたんだぜ?
「ああ」
にやり。
笑ってやる。元就が嫌いと常々言う、悪戯っぽい笑みを心掛けて。
予想通りに元就は眉間に皺を寄せた。
「ふざけたことを。
あれらの狙いは我一人。貴様はさっさと逃げればよかろう。使えぬ駒は必要あらぬ」
「元就」
眼帯を投げようとしたその腕を掴んだ。
細く、白い、女のような腕。
「お前の顔は公には出てねぇんだ。何も、お前自身が出ていく必要はない」
「何を、」
「顔を隠して行きな、使える駒たちがお前を守ってくれる」
ぐいと眼帯を着けさせた。ぶかぶかかと思っていたが、伸縮するのでいくらかマシだった。
隣の部屋に、元就直属の部下が数人いる。
精鋭揃いで生きるのに長けた人たち。
どこまでも元就を思い、大切にしてくれる人たち。
一人では生きられない不器用な元就を守ってくれるだろう。
「……勝手なことを」
大人しくしていた元就がぽつりと零した。
緑の中、薄紫のそれは花のようだ。
「元、」
「勝手にするがいい!」
ぎっ、と睨まれた。
震えた声。
震えた拳。
震えた肩。
「貴様など知らぬ! 何処へでも行ってしまえ!!」
ダン、元就が壁を叩くと開く壁。そして元就の部下たちがやってきた。
「行くぞ!」
「元就様!?」
部下の一人が羽織りを持っていた。確かにあの格好じゃあどこから見ても元就だ。
「元就、ありがとな」
「……知らぬ」
ふいと元就は開いた壁の隠し通路に消えた。
こういうときのために作っていたのか。用心深い。
「元就のこと、よろしくな」
「元親様は、どうなさるので?」
立て掛けてあった武器を取った。
そして笑う。
「野郎共と一緒に田舎モンに灸を据えに、な」
俺のダチは血の気の多い奴らばかりだ。
ちょっと暴れていいくらいだろう。
あらかじめ作戦は話しておいた。尤も、元就に言わせれば作戦とはお世辞にも言えない穴だらけのものなのだろうけれど。
「元就の戦い方を知ってる奴は城の兵士くらいだ。烏合の衆に過ぎない寄せ集めが知ってるとは思えねぇ。
それに俺が元就である必要はねぇ。必要なのは元就が逃げるまでの時間稼ぎ、それだけだ」
眼帯を外した目が風に当たってすうすうする。
元就に怒られそうだ。眼帯を着けるのを言ったのは元就だったから。
赤目を他人に曝さないように、と。
怖がり迫害するだけの他人に曝す必要はないだろう、と。
けど、最期くらい構わないよな。
もう俺は鬼と呼ばれて怯むような姫じゃない。
ぎゅっと碇槍を握り締めた。
「行くぜ、野郎共ー!」
「「「うおー!!」」」
この眼を綺麗だと言ってくれたお前さえ生きてくれるなら、それ以外要らない。
(20091026)
――――
終わり。
前後?そんなの考えてません。ナリ様バージョンは少しだけ考えておりますが。
因みに私はチカちゃんはオッドアイ(赤)を推奨します。
パロといえないパロ。ちゃんとパロってやれよ!