最近よく、たかだか20数年生きたくらいで「俺らくらいのおっさんが……」「私くらいのおばさんになると」という会話を耳にする。いちいちツッコミはいれないが、どうも違和感を持ってしまう。
自嘲的に話しているのかと思っていたが、どうも彼ら彼女らの中には、本気でそう思っている人がいるらしい。そう思わざるをえなくなっているのかもしれない。
職場でのことを考えてみる。
若い職員、というのは当たり前だし、自分を「おっさん」「おばさん」ととらえている同期はまだいない。
そもそも、30代だって若手といえるくらいなのだ。「おっさん」「おばさん」どころか子供である。
と、いうことは「おっさん」「おばさん」という概念は相対的なところから生まれている感覚なのかもしれない。
近年はネットの使用層も広がってきていて、50代や60代のユーザーも増えている。が、私自身もそうだが、ネットを使用しているメイン層は若い世代というイメージが強い。そのためなのか、ネット上では20歳になったばかりのユーザーに対してさえ「おっさん」などとう野次が飛ぶことがある。
私は以前、ネットにおける20代ですら「ババァ」と呼ばれる現象を、ロリコンによるネガティブキャンペーンだと半ば冗談めかして書いたことがある。が、どうやらネガキャンの主体はロリコンだけではなさそうだ。
若すぎる環境のなかで、上の世代は次から次に「おっさん」として消えていくしかないようである。自分を「おばさん」として消していくしかないようである。
超高齢化社会などと言われる現代日本。街を歩けばお年寄りばかりが目につく。
引きこもってネットばかりやるのではなく、外に出て街を歩いてほしい。まだ自分が「おっさん」でも「おばさん」でもないと気づいてほしい。