今日漫画喫茶で読んできました。
私が中学生の頃にガンガンで連載していた漫画ですね。知ってはいたんですが、エロいものかと思って敬遠していました。でもその時の愚かな私が恥ずかしいほど、むしろ清廉で深く、求めていた漫画でした。しかも原作城平さんだったことに今日気付いたっていうね・・・

かるーくネタバレ

現存する唯一の純血のヴァンパイアであり、王でもあるストラウスが最愛の妃であり、人間達に封印されてしまった女王アーデルハイトを封印から解き放とうとし、それを阻もうとするダンピールや宿敵であるブラックスワンの戦いから始まり、様々な伏線を張られていきます。そして宿敵である50代目ブラックスワンである花雪が滅ぼす対象であるストラウスのとりあえずの仲間になったことから自体は動きだし、地球を侵略する宇宙人を共通の敵とし、一同は様々な紆余曲折、戦闘を重ね、最終的には一丸になって宇宙人からの侵略を阻止し、絶対にどちらかが死ななければならないストラウスと花雪が最後の決着をつける。

最初にユキの話しから始まったのもよかったなぁ。ユキは今思えば本当にステラに似ているな。なんとなく花雪が出てきた時点で、ブラックスワンとステラの関係性はなんとなくわかって、花雪は夢見る少女だったんだなとクールな女の子かと思ってましたよ。
ストラウスかっこよすぎだぜ!!このころのガンガンは本当にいい作品を連載してたよなー。『スパイラル〜推理の絆〜』に始まり『スターオシャンブルースフィア』そういえば『鋼の錬金術師』もそうか。『守って守護月天』もそうだったなー。絵柄がなんとなく似ているところ(鋼錬は違うけどね!)がまた好き。

終わり方もよくあると言えばよくあるのですが、其処までのもっていき方があっぱれ。本当に死というものが救いになることもあるのかもしれないと思わせる作品でした。最終回のステラの「叱ってあげてください」宣言から、頑なに(もう何もかも果てには自分が生まれてきたこと自体が罪だとでも言いそうなほど)全てを自分の罪だと重石ばかりをつけていたストラウスが最期自分に対して「よくやったよな」と言って息を引き取る瞬間もう涙出そうになっちゃいました。
本当に幸せにステラと過ごしてほしかったな。こんなこと言っても仕方がないけど。
ストラウスとステラの出会い、圧倒的力を持っていたために、誰にも顧みられず、自分の幸せを願う人のいなかったストラウスに初めて差したステラの「月の恩寵がありますように」という一言がストラウスの心を一瞬でもっていったんだろうな。本当にこの二人は幸せになって欲しかった。
「月の恩寵がありますように」という言葉。ストラウスは物語の最初から口に出していたけど、確かに誰一人ストラウスに対してその言葉を言った人はいなかったんだな、と今改めて思います。その一言だからストラウスの最期にステラと似た雰囲気をもつ花雪が言ったことでストラウスは静かにステラを思い出して逝けたんだなと思いました。

それにしても吸血鬼の最期は跡形も残らないのがとても寂しい終わりですよね。
だからブリジットはストラウスの血を欲したんだろうな。何も残らない、でも愛しい人の何かを残したい。少しそんな吸血行為にはロマンと同時に切なさがありますね。


最後に原作作者の城平さんが簡潔にシンプルに話を綺麗にまとめるのは難しいと言っていました。私から見て、複雑に伏線を張り巡らせ、難しい話を作る城平さんもものすごくすごいと思うのですが。(そもそも私はどちらも出来ないってゆーね!)ちゃんと物語ひとつ完結させてみたいなーと思っちゃいました笑