“同情”、僕はとても厄介な感情だと思う。
悪いと言っているわけではなく、時に鬱陶しく、人を見下したように思えるからだ。
それが、今この瞬間だ。
「尚志くん!!」
雛が、少し恨めしい目でこちらを見ているのがわかったけれど、構いやしない。
僕はそれどころじゃないんだ。
頭にタライが落ちてきたような、胸を矢で貫かれたような、そんな漫画の1コマみたいに、僕の古傷を抉ったその一言。
腑が煮えくり返った気分だ。
祐司さんは純粋な気持ちで言ったのかもしれない。
ただ僕が頼りなく見えたのかもしれない。
けど、僕は異様なまでに自分が惨めだと、言われた気がしたんだ。
そう、アイツと同じこと言うから。
続く
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次からは、アイツが出てきますので、過去に飛びます。
少し過去の話が長くなりそう…。