限界ニュータウン／吉川祐介
居心地の悪い部屋／岸本佐知子編・訳
住職探偵／建待吉作
10代から知っておきたい しんどい時の自分の守り方／増田史
限界ニュータウン
YouTubeチャンネルが面白くて購入。
限界集落ならぬ、限界ニュータウン。
もはや田舎の話ではなく、そこらへんの住宅街でもそうなってきている。住民がおらず、学校も病院もなく、公園もなく、街灯もなく、道路は舗装が剥げて雑草と不法投棄の廃棄物だらけ、しかし道路や空き地がどんなに傷んで汚くても、全く行政の修理も掃除も入ることのない街。
アニメのゲゲゲの鬼太郎や、今YouTubeで再放送してるゴーストスイーパー美神のストーリーの背景？が少しわかった気がした。
工事業者が山や森を開発→古い石塚を勝手に壊したり、沼を勝手に埋め立てる→妖怪が人に危害を加える
というお決まりのストーリー、しかし出来事と出来事の因果関係がどうにも繋がらず、まぁ山や森は人間だけのものじゃないし、もともと妖怪や動物のものだから…と思っていたが。
・この工事業者や不動産業者は、現代の基準では違法業者、無許可営業の企業だった。所有者不明の土地の開発や、今のうちに購入すれば数年後に何倍もの価格で売れるなどと煽る、など。
・ただしアニメ（〜4期）放映当時や直前直後頃？はこういう営業を禁止したり業者を取り締まる法律がなく、泣き寝入りするしかなかった関係者が多かった。
バブル〜バブル終了の当時は、いちいち細かく説明しなくても、みんな知ってたんやな。
法で裁かれない悪意や欲望は、人の怨念や土地の怪異に復讐される。
最新の6期。行き過ぎた私人逮捕や、事故現場の野次馬を禁止する法律は確かに無い。
けど私人逮捕や路上撮影に今後なんらかの規制が入るとしたら、数十年後には「このキャラたちは何の話してるの？」「これ何の場面？」となるのかもしれん。
居心地の悪い部屋
よくぞこんなもん見つけてきたなこの翻訳者。
全くもって訳分からん話ばかり。
ポール・グレノンの「どう眠った？」はとりあえず日本家屋ディスられてるという認識でオケー？「へべはジャリを殺す」といい「オリエンテーション」といい、怖いというより笑っちゃったよ。
アンナ・カヴァンの「あざ」と、レイ・ヴクサヴィッチの「ささやき」、これぞ、意味がわかると怖い話なんだろうな。高尚すぎて私には解読できなかったぜ。
ステイシー・レヴィーンの「ケーキ」が切なくて好きだわ。
「喜びと哀愁の野球トリビアクイズ」、面白すぎるわ。あまり詳しくないが、野球の創作小説として傑作なんじゃないか？柴田元幸さん翻訳のアンソロ、どこにもない国で別作品が読めるらしい。
住職探偵
何年か前にツイッターでバズって以来気になっていた。現役住職が書いた、しかもそこらへんのラノベより面白いというツイート。確かにめちゃめちゃ面白かった。なお、これ以外に作品出てなさそうである。しかしこれだけ面白いのが書けたら大成功だろう。
しんどい時の自分の守り方
訳の分からん意識高い系ビジネスマインド本よりも、今の働く日本人には、こういうののほうが推奨されるべきではなかろうか。
例えば、高校の保健体育の教科書に、「精神疾患の予防と対策」の項が、40年ぶりに復活している、とのことだが、確かに私の頃にはそんなん無かった。授業でやらないことは知る機会もない。「日本の１５〜３９歳の最多の死因は自殺」。交通事故ではない。と考えれば、交通ルール教室なみのことをやってもいいように思う。
PCOPノートは是非作ってみたい。
