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響な日々

ある日のこと


「こっ…これはっ…」

何やらトリスタのギルド『響』の冥土、リンシェイはある紙をみて震えていた。
(『リンシェイ』とはギルド『響』に所属する、ギルドメンバーの一人で家族ポジションは冥土。ちょっとお馬鹿な子で、職業はアイドル)

それを見て妹のレンシェイはリンシェイに声を掛けた
(『レンシェイ』とはギルド『響』のギルドメンバーの一人でリンシェイの妹、まだまだ未熟なプレイヤーだが腹が黒く、姉のリンシェイより遥かに頭がいい。職業は司書)

「どうなさいまして?お姉様?」


その声に反応して勢いよく振り返ったリンシェイはレンシェイに紙を見せながら


「みて!今度からトリスタ内で実装された新しいシステム!」


レンシェイは興奮するリンシェイをよそにその紙をよく見た


「結婚システム?」


レンシェイは眉間にシワをよせながら言った


「そうなの!プレイヤー同士で結婚が可能になったんだって!」


リンシェイは更に興奮しているようだ


対してレンシェイは冷ややかに言う


「それがどうかなさいましたの?」


「へ?」

リンシェイもその反応に間抜けな声で返す


「ですから、それがなんだというのですか?私達には関係のないことではございませんか。」


髪の毛をいじりながらレンシェイが言うとリンシェイは慌てながら

「何言ってんの!!これでもやしも奥様と@宏たむ旦那様が御結婚できるんだよ!?こうしちゃいられない!あたし、旦那様に報告してくる!!」


そう言い放ち、リンシェイは家(マイキャンプ)を後にした。


残されたレンシェイは

「お姉様!!!…行ってしまわれましたか…ま、後々わかることですし、奥様にでも怒られることかしら?とりあえず私はメガロポリスにでも出かけますか」


と意味深に呟きその場をあとにした。




≡≡≡≡≡≡≡≡
蜃気楼の島にて

「旦那様!!!」


友達リストの情報から@宏たむの居場所を見つけ出したリンシェイは蜃気楼フィールドまで走ってきた。


(『@宏たむ』とはリンシェイの所属するギルド『響』のギルドマスターにして一家の大黒柱。優しいが金がなくマスターらしくないところが魅力。因みに同じギルドメンバーのもやしもにゾッコン。職業はマジシャン)


「あ!リンじゃない。どうしたの?こんなとこまで。あ、今ママが居ないから給料あげれないよ?;」


と@宏たむが優しくお出迎えしてくれた


「いえ!お給料のことではなくてですね!」


とリンシェイが話そうとした時

@宏たむがとめに入った

「ちょいまち!今電球が光ったからなんか良いアイテムが出そう!少し待ってて!ドリルしてくるから!」


と真剣にドリルを回す@宏たむ


リンシェイは待ちぼうけである。









しばらくして



「ふぅー。結局ただの50ゲルダクーポンだったよorz」


と肩を落としてやってきた@宏たむ


「お待たせ。で?なんか話かな?」


と聞かれたのですかさず事情を話すリンシェイ


「実はこれを…」


⇒以下略





「ななななな!なにぃぃぃぃぃ!?結婚だと!?」


@宏たむは喜びに震えた。


「はい!そういうことですから!」


リンシェイも興奮を抑えきれないようで

「うん!早速ママに言いに行こう!」


と張り切る@宏たむ


そのノリにのるリンシェイ

「旦那様プロポーズですね!わかりますww参りましょう!」


そして2人はもやしもの待つお屋敷(@宏たむのマイキャンプ)へ向かった。


バタン!

「ママ!ビッグニュースだよ!」

「失礼致します!」


と勢いよく屋敷内へ飛び込む@宏たむとリンシェイ

「ちょっと、うるさいなぁ。ちゃんとノックくらいしなさいよね。ここを誰の家だと思ってんの?」


と静かに愛用のドリルを磨きながら出迎えるもやしも

(『もやしも』とはギルド『響』に所属する副マスターにして裏ボス的存在。金でなんでも解決しようとする。だがギルドメンバーには甘かったりする。職業はダークロード)


「あの〜…ここは一応僕ん家なんだけど〜」


と恐る恐る言う@宏たむ

「そんなことはいいから。何?」


あっさりもやしもにスルーされる


「はい!今回はこのようなものをわたくしが発見致しまして!」


とリンシェイが結婚システムの書かれた紙をもやしもに渡す。


「なに?結婚システム?」

もやしもが眉間にシワを寄せる。


「そう!これで僕らも結婚しちゃえるね!」


とウキウキしながら言う@宏たむ



だが





「無理」



と一言言い放たれた




「えぇぇぇえ(°□°;)」


それにビックリして震える@宏たむ


「何故ですか!?」続けてリンシェイがもやしもに問う


「あのさ、リンシェイ、あんたは本当に一生懸命なバカだね。これよく読んだ?」


ともやしもに言われ


「うっ、いえ、さわりしか読んでません」


と白状


「やっぱりね。あのさ、ここにこう書かれてるんだよね。男女のキャラクターでの結婚って」



「「あ」」


もやしもの一言に二人が気付くのは早かった



そしてもやしもが続ける
「まぁ、忘れるのもわかるけどね。言うて私は美しいから。でも、所詮私は男で@宏たむも男、一生結婚は無理だね」


とドリルを磨きながら言うもやしもに二人はうなだれながらその場を後にした。


「でもウェディングドレスかぁ…着てみたかったなぁ」


ともやしもが呟いたのは秘密である。
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