彼女が幸せなのか不幸せなのか、彼女と出遭って随分長いけど判らない。
それはそうね、幸・不幸を決めるのは当事者自身でマギーでも他の誰でもないから。
ただ一つ彼女を見ていて解ったのは、男性にもてるのは美貌でも若さでもなく、
手を差し伸べて守ってあげたくなる様な頼り無げな所なんですね。

マギーが知る限り、これまでに彼女を通り過ぎて行った男性は4人を数える。
いいえ、正確には「彼女が通り過ぎて行った」と評言すべきでしょうね。
彼女には男性を手玉に取るつもりなんか全然ないんです。
自分の路を自分で決められないだけなんです。
いいえ、本当は彼女は自分の路は既に定めていて、
それを彼女に代わって伝えてくれる男性を待っているだけなんです。
一つの恋に終止符を打つのに、彼女は次の恋人にその役目を託すんです。
運が良い事には、そんな彼女に激情する元恋人はこれまでに一人もいなかった。
マギーが男性なら、彼女を卑怯呼ばわりするでしょう。

自分磨きと称して美容にお金を注ぐ別の女性に教えてあげたい。
男性を振り向かせるには、それも贈り物も、ましてや嘘泣きトリックも要らない。
先に紹介した彼女の様に、生まれ持った頼り無げさがあるだけでいいって。
そして最後に自信をもって言います。
マギーは二人の女性のどちらでもないって。