沙織織りのベスト、自分で手洗いして失敗しちゃいました。
クリーニング屋さんにプレスだけでもできないかと頼んでみたら、
特殊な織物だから無理だと断られました。
けど、失敗は成功の素って本当ですよ。
どうしても諦めきれないでいると、
そう言えば患者さんが別のクリーニング店に勤めていると檜が教えてくれました。
電話したら、直ぐに患者さんがベストを見に来てくれました。
答えは先のクリーニング屋さんと同じでした。
子供のベストみたいに小さくなったのを見て、マギーと二人大笑い。
けどね、ここからが違います。
腕を通さず、首だけ通してすヌードにすれば良いと提案してくれました。
それに一緒に合わせる色も教えてくれました。
で、檜の患者さんの言う通りにして早速歯医者に着て行きました。
一人の看護師さんが、お洒落なマフラーだと言ったので、経緯を話ししました。
看護師さん達と大笑いしました。
お世辞だとは思うけど、服装をよく褒められます。
少ない服の着回しと、何処か一味他の人と違う着方をしてるだけなんですけど。
「うちはトイレが二つ要るな」
朝、檜が言いました。
マギーが出て来るのを廊下で待っていたらしい。
そう言えば最近、トイレの取り合いになることが多いね。
同時に催して、待てなくなる。
「仲の良いことで」なんて暢気なこと言ってられない。
マギーの父と母はどうだったかしら?
トイレと言えば、檜が若い頃に住み込みで働いていた治療院での話。
夕食に餃子が出たんですって。
翌朝のトイレが…!
めっきり老いが身に染みる近頃。
耳鳴りが酷く、間違いなく難聴が進んでる。
誰とも関わらず家で読書してるのが楽かなと時々本気で思う。
体だって間違いなく自由が利かなくなって来ている。
立ったまま靴が履けたのに、気が付けば座り込んで履いている。
立ったり座ったりに掛け声が要るし、何より腰が安定しない。
音が旨く掴めなくてジャズクラブのメンバーに迷惑掛けていることが多い。
若くてセンスのある人にバトンタッチした方が良いのかな。
人間退き際が肝心。
と感じる反面、今の仲間とやっぱり歌っていたい。
もしジャズクラブが世間に知られる日が来た時、その一員でいたい。
うん、まだ欲があるうちは頑張れるよね。
そう言えば、次の歯医者の予約を取る時、
夕方遅くても構わないと言ったら、
日の入りがすっかり早くなって道が暗いからって、
看護師さんがとても心配してくれました。
暗くても全盲には関係ないってその時は返答したけど、
マギー達のことだけじゃなく、車走行する人達のことも入っていたのよね。
檜は嫌がるかも知れないけど、思い切って蛍光色の羽織物を買うかな?
夜でも他人から直ぐ分かる、黄色とか緑とかね。
思い切り目立って、「あいつら何や?!」と笑われても、
生きてこそのものだねだもんね。