緑の館―;)☆ミ愛千パーセントの日々

こんなマギーにあなたの心を動かす力は当然ありませんね。
過去より現実だとか、見える人生と見えない人生と、一人で二人分経験できるなんて素晴らしいとか。
マギーが辿り着いた幸せの捕まえ方は今はまだ、、いえ、一生あなたに伝わらないかも。
あなたが求めているのは新しい道じゃなく、今あなたの目になってくれる人たち。
檜がふとコスモスに漏らした思いと同じなんですよね。

マギーはあなたから、諦めていた可能性をいっぱい貰い、そのお返しをしたい。
無理と考えていた文字の色付や動画選びの楽しさを教え、実際に手助けしてくれるあなたに。
手や耳や体の奥から沸き出る感覚が、十分目の代わりをしてくれるって伝えたい。
でもそれは、今のあなたにはただうるさいだけなんですよね。
あなたが求める物を、求める時間を共有してくれる人に安らぎを感じるんですよね。
見えない世界に来たからには見えない世界のルールを、はマギーの押しつけでしたね。
ごめんなさい、あなた。
いくら謝ってもあなたに響かないでしょうけど。 ごめんなさい。

やっとお互いスケジュールが合い、久しぶりにコスモス達とカラオケした後、
檜と家で二人だけになった夕方、涙が頬を伝ってしようがありませんでした。
これを書いている今も。
マギーは誰の役にも立ってはいない。

明日はマギーには何かを始める素敵な日だそうです。
一頻り泣いたら、いつものおどけた妖精に戻りましょう。

双子座流星群が観られるピークが、明後日には来るそうですね。
思春期初めまで弱視だったとは言え、本物の星をマギーは見た事がないんです。
写真や映像から、想像するだけでした。
月は見えました。
見えたらなー！ 溜息するのは、風景や自然が織りなす色彩に思いを馳せる時だけでした。
目が見えない故の日常生活の不便は、さほど問題にしていませんでした。
手を挙げて誰かに尋ねれば済むって考えているし、実際そうだもん。

でもやっぱりそうじゃないんですね。
昨日、弱視の夫に目を借りれて便利だろうな、とコスモスに話す檜に、ふとマギーの中の何かがフリーズしました。
檜に大意がない事は解っています。
自力で何でもやり遂げる主義の努力家檜が、全盲故に手痛い悪戯に人知れず悩んでいるのも目の前にしています。
時にはプライドも恥も捨てて他人に甘えたら？ と直接言いもします。
見えない為に見える人がしなくて良い我慢を虐げられるって考え方より、
見えないからこそ他人に遠慮する事を学んだり、見える人に優しさを運べると考えて欲しい。
でもそれは、檜の様に辛い体験をしていないから言える、マギーの生意気なんですね。