「ストレス溜まってるんと違うか?」
檜が今朝、言った。
マギーの寝言で起きたって。
それも、起きてる時と同じくらいはっきりした寝言。
「ヨットがどうこう言ってたけど」
たぶん、寄宿舎の事務所で舎内放送をしていたからでしょう。
ヨットを体験したい人は○○時に□□に集まるようにと。
でも、夢にはヨットは出て来なかった気がする。

寄宿舎で暮らしていたんだから、夢の中のマギーは高校生だったんだろう。
マギーには恋人がいて、その人に横恋慕する後輩女子がいた。
その二人を偶然見つけて、凄い勢いでマギーは二人を責めていた。
男はおろおろ、女は涙を流して男に縋る。
泣きゃ全てが終わると想うなよ、とマギーは感情を露わにしていた。
恐れをなしたか、男は女を彼の胸から引き離した。
それでも未練たらしくそこに俯いている彼女の頬をぶち、
マギーは彼女に、恋人は自分自身で見つけろと追いやった。

実際、そんな激しい恋を当時体験していないし、その先も。
実生活であんなに誰かを罵ったこともない。
檜の言う様に、本当にストレス溜まっているのかも。