長い間悩まされることがなかった、冬の終わりから春の初めに架けての緑内障。
年齢の所為か空気が乾き過ぎる所為か、今年は久しぶりに辛い。
20代の始め、余り辛いので眼球を摘出しようかとまで思い詰めて、
眼科では有名な病院に行って言われた通り、年と伴に楽になって来ていたんだけどな。
「全盲でも眼球やその周りの皮膚感覚が歩くのに役立つから摘出手術は薦めない」
医師はあの時、そう言いました。

それは耳にも言えますね。
補聴器を着ける様になって確かに人と話すのは楽になったけど、
耳の穴が塞がってる分、風の方向や道幅と曲がり角が捕れなくなりましたね。
列車がどっちから入って来るのか、空気の流れで分かっていた筈なのに、
やっぱりそれは列車の音と人の動きが耳で判断できるから言えることなんですね。
列車の揺れで走る向きも以前は判断できたのに、それさえ疎くなりました。
右側のドアが開くと車内アナウンスがあっても、降りる方向を間違えかねません。
だから、駅員の案内で、特に慣れない電車を利用する時、
列車が左右どちらから入って来るか訊く様にしています。

あなたが知らない苦労と工夫をマギー達はいっぱいしているんですよ。
でも、愚痴だと採らないで下さいね。
これが人世、これが定めと伝えたいだけなんです。