負け惜しみでも、辛くてここに書く訳でもない事を、まず解って読んでね。
寧ろ、これからマギーに起こる事をどきどきしながら待っているの。
目が見えないから健常者より沢山注意して来た行動を、更に注意しようとしているだけ。

夕べ、マギー、パソコン点けたまま寝た?
薄青ソックスの片方は何処?
きちんと前後ろを確認して被るのに、何故セーターのタグが右側にあるの?
脱ぐ時のシャツの袖が何故裏返ってしまうの?
何故手から物がすり抜けて落ちるの?
靴を履くのに座らなきゃならないの?
そして一旦座ったら、何故すっくと立ち上がれないの?
前は簡単にできた事が、今できないの?
母もそう笑いながら嘆いていたわね。
けど、母にそれが始まったのはマギーの年より10年も先の事だったわよね。

高齢者を治療する事はあっても、そんな人達と一緒に暮らした経験のない檜には、
マギーのこの状態がなかなか理解して貰えない。
勿論、だからと言って、檜がマギーを軽んじたり、厳しく扱う訳じゃない。
それには深く感謝しているわ。
そして、檜、16年経ったらあなたにもこれが起きると覚悟していてね。