檜のお姉さんの車で、今日は午後には病院へ。
今夜から檜は流動食。
夕べは、食べ過ぎたとダイエットを強いられている檜、
喉に指を突っ込んで自力で吐き戻していた。
まるで過食症と拒食症を繰り返す人みたいに。
今朝4時頃、涙なのか、眠い時にそっと押し寄せる目脂なのか、
マギーはとうとう読書で夜明け前まで過ごした目頭を湿らせていた。
悲しいと言うより怖い。
マギー自信が手術する訳でもないのに。
「今年、わし、あんたがここへ来た年齢になるんやな。
わしと比べたら、16年前のあんたはわしよりうんと元気やったんや」
檜が焼酎飲みながら、しみじみ言ったのはいつだっけ?
檜がマギーと暮らして彼は4度目の入院、
5度目の手術。
今回のがマギーには一番不安。
正確には何て呼ばれているんだっけ?
癒着性腹壁瘢痕ヘルニアだっけ?
交通事故で腹部内出血して、腸を60p切った後遺症の手術なんです。
働くこと、食べることが大好きな彼なのに、今回の手術の為にどちらも禁止。
檜と同じ状況の交通事故で亡くなった人もいる。
命があることに感謝し、その被害者に心よりご冥福を。
見知らないあなたの分もマギーの家族が頑張ります。
いよいよ明日、檜が入院する。
手術は更に2日後の19日。
その日は家族も病院にいることになっていたけど、
コロナ禍の今、家で待つことに変わった。
一昨年の梅雨土器の突然の交通事故の時とは違い、
どう言う手順で手術が行われるのかも充分説明を受けて、
心の準備はしっかりできている筈なのに、
あの忌まわしい交通事故の大手術の時より何故か怖い。
マギー自身、今より体の自由が利いていて、
しっかりしなきゃって、気持ちも強くいられたからかしら?
他人が見たら、なんて冷たいマギーだろうと思ったかも知れないくらい、
あの時、マギーはやるべき事を順番に処理して行った。
欅の事業所も精一杯助けてくれた。
それでも制度上足りない支援時間は、隣の市のガイドボランティアの手を借りた。
最近は単独歩行しない、いえ、できなくなったマギーが、
駅員のリレーで電車を乗り継ぎ、檜の病院に何度通ったことか。
家事援助は檜にしか来ないから、
3ヶ月はどんなチャンスも逃さず、手当たり次第目を借りた。
そして、あの頃は事故についてまだ明かす時でもなかったし、
何もないふりしてジャズの練習にも通った。
だから、できない筈がないよ。
負け惜しみでも、辛くてここに書く訳でもない事を、まず解って読んでね。
寧ろ、これからマギーに起こる事をどきどきしながら待っているの。
目が見えないから健常者より沢山注意して来た行動を、更に注意しようとしているだけ。
夕べ、マギー、パソコン点けたまま寝た?
薄青ソックスの片方は何処?
きちんと前後ろを確認して被るのに、何故セーターのタグが右側にあるの?
脱ぐ時のシャツの袖が何故裏返ってしまうの?
何故手から物がすり抜けて落ちるの?
靴を履くのに座らなきゃならないの?
そして一旦座ったら、何故すっくと立ち上がれないの?
前は簡単にできた事が、今できないの?
母もそう笑いながら嘆いていたわね。
けど、母にそれが始まったのはマギーの年より10年も先の事だったわよね。
高齢者を治療する事はあっても、そんな人達と一緒に暮らした経験のない檜には、
マギーのこの状態がなかなか理解して貰えない。
勿論、だからと言って、檜がマギーを軽んじたり、厳しく扱う訳じゃない。
それには深く感謝しているわ。
そして、檜、16年経ったらあなたにもこれが起きると覚悟していてね。
努めて楽しい事を書いて来たけど、この1年半余り、内心不安でいっぱいなんです。
特に檜の事は何処までここに書いて良いかまだ迷っています。
檜は寧ろ書いて欲しいと言うけれど、
それが彼を不利な立場に追いやるんじゃないかと心配なんです。
だから、マギーの体の確実な変化について書きます。
第五腰椎がずれているヘルニアだと診断されたのが一昨年の梅雨時でした。
そう、檜にあの事件が落ちて来て直ぐでした。
5分歩いては休み、また5分歩いては休むを繰り返しながら、
週1で耳鼻科に、月1で整形外科に通院していたのが、
いつからか休む時間(正しくは分間ね)が延びて、軽い痛みと怠さは残るものの、
耳鼻科へは往復40分休まず歩き通せる様になりました。
整形外科の最寄りの駅までは電車、そこからはタクシーで往復だったのも、
駅から整形外科まで徒歩片道15分を往復できています。
ところがです。
耳の所為もあるのか、足腰の所為なのか、
平衡感覚が乏しくなったらしく、体がふらつくんです。
「何してるん?」
檜には訝られるけれど、体が傾いだら直ぐには戻せないんです。
家が小さいのは幸い、両手を広げて何かに捕まって辛うじて体制を立て直します。
当然、片足立ちも危なっかしいですよ。
それでもトライするマギーはただの意地っ張りですね(笑)。
どっちみち、椅子の背凭れに捕まったり、足を投げ出して床にお尻を付いて、
ズボンや靴下を履くのにね。
耳鼻科への往復では、休む場所が決まっていました。
乗らないバス停のベンチとか、知らないお宅の玄関の石段とか。
まるで決まった所でしか用足ししない散歩の犬みたいに。
はい、これは付録です。
明け方、電気毛布が壊れたのかと思うほどの冷えに目が覚めたら、なんてことはない。
重ねてた上掛けや古いダウンコートが全て滑り落ちてた(´・ω・`)
と昨日ツイートしたら、隠元が、
ベッドにもホームドアが必要だね。
って返信くれました。
この返し、なかなか面白い。
隠元のユーモアセンスに感心してしまいました。
ここでも明日は雪の予報。