高校時代、マギーは父が大嫌いでした。
女の子はだれしも、マギーに似た感情を一時期、父親に持ちますね。
いつの頃からか、冷静に両親を観察できる様になり、あることに気付きました。
マギーの父嫌いは大いに母の影響にあるって。
父に苦労させられた母は、父の愚痴をマギーにぶつけていましたね。
マギーはそれをそのまま受け入れて、父を悪者にしていただけでした。
そのうち、ロマンティックな父の心の内を理解できる様になったんです。
しっかり者だけど余りにも現実主義の母と、女性の様に繊細な心を持った父とでは、
全てに於いて擦れ違って当然ですね。

マギーは身体的にも父似です。
尖った顎の長い顔、右足第四指が、小指と同じくらい短いところ。
この足指は小さな奇形なんでしょうね。
そして、檜と意見が別れた時、あえて反論はしないものの、
マギーの目元の筋肉が歪むのをしっかり感じます。
もし檜が目が見えたら、きっと気分を害されるでしょうね。
父のこう言う顔を母はいつもマギーに愚痴っていたから。
マギーも気をつけよう。 相手は目の見えない檜だけじゃないんですもの。
独りこっそり苦笑いするマギーです。